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石切場を見に行こう2 ~真壁石切場~

2018.05.02

今回の見学会は茨城県の筑波連山を南から北へ西回りで北上しながら、見学ポイントを回るルートで行われた。道中では、なだらかな地形の中で山裾を広げながら立ち上げる筑波山の姿を眺められ、この土地固有の風景を楽しむことが出来た。

■真壁伝承館
真壁石の加工場・石切場に行く前に真壁町に寄った。目的は重要伝統的建造物群保存地区に指定されている真壁町の町並みと町の中心に建築された真壁伝承館である。木造の古い建物の中で時折石積みの建物や蔵、石で出来た鳥居などが見られ、良質な石が採れることが地域の風景を作っていたことがわかった。真壁伝承館は、歴史的町並みの要素を抽出して再構成する「サンプリング & アセンブリ」という計画手法によるデザインで、真壁町の住宅と路地のような素材やスケールの環境が作られていた。建築の足下にはたくさんの大きな真壁石の板が飾り、ファサードと共にリズムのある楽しい空間を作り出していた。

■真壁石加工場
今回のルートでは真壁石の使用例 ( 真壁伝承館 )、加工場、石切場という石がたどる道を巻き戻すように見学していった。
加工場では墓石や灯籠としての出荷が多いようで、石の切り・磨き・仕上げ・彫りで、どのように製品になるかを見せていただいた。バーナー仕上げを目の前で行っていただき、普段なかなか見ない石が音をたてて破裂する様子に目が離せなかった。
加工場の前には切り出された石が積まれており、小さな石の棟がたくさん並んだ遺跡のような空間であった。

■真壁石切場
大量の石が両側に転がった山道を登り、石切場に向かった。到着するとごつごつした岩肌が緑のカーテンの下から顔を出しており、元の山の形からどこまで切り出したのか想像することができた。石切場は細かい砂が堆積した砂漠のような感触で、風が吹くと砂埃がたち、口の中に入ったりするので、味・音・においと、五感で現場の雰囲気を体験することができた。
初めに石を割る体験をさせていただき、石に差したせり矢を交互にたたくうちにヒビが入り、割れる様子を見た。ここでおもしろいのが、切り出した直後に割ると現れた面が少し湿っているということである。水分を含んでいるため、外の面と比べると磨いた時のように濃い色が確認できた。この水が染み出していずれ湧き水などになるそうで、山の麓には酒蔵もあるそうである。真壁石に濾過された水のお酒にも興味が湧いた。
石切場には石目の整ったものとそうでないものに分けられた大きな石がごろごろと転がっており、加工せずとも、このまま使いたい形のものがたくさんあった。石の表面に水を流したり、積んでみたり、お墓もそのままでも良いのではないかと思うほどであった。いろいろな使い方があるが、使える機会が自分のお墓を作る頃には飽きているほどたくさんあることを期待したい。

■真壁石について
真壁石は筑波連山から産出される良質な花崗岩で、稲田石と同じく白御影に分類される。主に石英 ( 灰色 )・長石 ( 白 )・黒雲母( 黒 ) などから成る粒状の鉱物の集合体で、これらの粒の大きさ ( 石目の細かさ ) から中目や小目と呼ばれ、区別されている。
今回見学した真壁石の石切場は加波山にある。ここの石は同じ山でも切り出される場所が少し離れるだけで石の表情が違うらしく、この石切場の石は他の真壁石に比べると石英が多く、青(灰)色に見えることから「青小目」と呼ばれている。
結晶が均等でないものは墓石としては価値が下がるが、景石としては十分楽しむことができる。

仲津 佑哉

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