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北海道に行ってきました

2015.04.18

4月18日、北海道の建築設計事務所からレクチャーを依頼された。建築事務所等からのお呼びはランドスケープの本質を理解し認めてもらう為に、お声が掛かれば必ずお請けする事にしており、勇んで出掛けた。

今回は、土木造成の大きな開発におけるランドスケープアーキテクトの役割は何か、どの様なコラボレーションが有効かをお話しした。プロジェクトの基盤を担当する土木と、施設を担当する建築における関係性は建築からの一方的な会話が多く、それを受け止める土木領域にはデザイン用語の「見える化」が不足しているとかねてから思っていた。ランドスケープアーキテクトの役割は土木の計画を大きく俯瞰した上で、技術主体の土木用語をデザイン用語に置換する、つまりインターフェイスの役割を果たすべきである。その結果バランスの取れたコラボレーションが土木、ランドスケープ、建築の間で可能となり、質の高い空間が生まれ出るのだと話した。

ランドスケープはプロジェクトの前半で自己主張しなければ外構として扱われるので、ランドスケープアーキテクトがプロジェクトの初期段階から勇気を持って参加してアイディアを出すべきで、その方法も提案させていただいた。最後に建築家とランドスケープアーキテクトの視点の違いの面白さを当社の作品を紹介しながら総括した。

その後の場外篇にも社長が参加し話しが大いに盛り上がった。一流の建築家はランドスケープの人脈も広く、アートの世界も造形が深いなど懐の広い人格がアーキテクトとして総合性を創り上げているのだと感じた。

翌日は、特急で4時間かけて函館に。初めての函館は興味深い風景の連続であった。函館山斜面は下部に漁港、商業地、オフィスがあり、中間部が住宅や学校、上部は社寺仏閣、教会、墓地に土地利用され、それらを直線道路が結んでいる。山に向かって歩くと勾配がだんだんきつくなり、その結果歩く速度が遅くなり、名所を見学するのに丁度良い速度となる。この道の構成は近代に都市化した北海道で無ければ出来ないであろう。函館山からの眺望はダイナミックで美しいの一言に尽きる。しかし専門バカでつい都市をインフラ構造として見てしまう。山から俯瞰すると先程歩いていた緑地が、大きなグリットとなって全市を納めており、大火で苦労した函館のまちに防火帯を使ったのだと先人の努力に頭が下がる。

山裾に明治12年に開園した函館公園があり、何とも言えない気持ちの良い公園であった。解説には「病人に病院が必要な様に、健康な人間には休養する場が必要」と当時の英国領事館チャード・ユースデンの提案により、市民で作り上げたと書いてあった。なんて素晴らしい言葉、素晴らしい空間なんだろう、子ども達の笑顔が弾けていた。

空港の途中までトラムに乗車。外の風景も楽しいが、地域による乗客の個性も面白い。ウィーン、香港でもトラムに乗ったが、なぜかどのトラムも堂々と走っており、都市の王者の風格があると思ったのは私だけであろうか。

戸田 芳樹

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