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第2回全国造園技能競技大会 in長野 −3/3

2012.10.26

銀賞 もうひとつの天竜川  竹上産業(長野県)

南アルプスの峰から天竜川、中央アルプスを望んだ作品で、天竜川は穏やかな流れを網代風編竹で、荒い流れを鉄平石張りで、中央アルプスを石組みにより表現している。

この作品は風景の抽象化を見事に表現している。天竜川の表現は「暴れ天竜」から龍の意匠も重ねて表現し、敷地を飛び出しそうな動きがある見事な作品に仕上がっている。支給された材料の高木を一切使用しなかったことは作品の完成度から見ても正しい判断で、象徴的な縮景空間に原寸スケールのものを入れる危険さを感知したのであろう。しかしその結果、見方によれば庭園というよりは、新しいスタイルの盆景やアートの表現とも見られ、大変難しい判断であったが、将来の庭園表現を先駆けした庭園であると判断して銀賞を授与した。チーム竹上産業の武村氏(ランドフット)と上野氏(フィールドアップ)の50代、30代のお二人の果敢なチャレンジに敬意を表します。


銅賞 御神渡伝説  信州すわっこ41(長野県)

諏訪の自然にインスピレーションを受けた庭園を作りたいと、諏訪の七不思議である諏訪湖の御神渡りをテーマにした作品である。鉄平石小端材で御神渡りを、石組みで男神(連山)を、レンガの園路と花畑で女神をイメージした寓話的な庭園である。

神々の物語の中から御神渡りの造形と、その背後の連山を表現したバランスと勢いが素晴らしく、大変好もしい作品である。作者の中に故郷の風景が充分熟成されており、それらを一気に庭園として表現したもので観客に対して意図をストレートに訴える。しかし最後の段階において高木を手前に植栽したことで、神々のスケール感が損なわれたのは痛恨の極みであった。そして女神を表現した意味は分かるのだが、レンガを入れた結果、色彩のバランス、スケール感が狂ってしまった。レンガを割って小さくし、目立たなくすればもっと印象が違ったかもしれない。チームすわっこ41の後町和宏氏(杉菜園)と濱 賢氏(はまけん造園)の同年生まれのお二人の健闘に感謝いたします。


特別賞 風と水  チーム下関(山口)

諏訪の風土の素晴らしさを山口のチームが表現した作品である。このチームは竹垣を庭園の中心に据えたおもいきりの良さで高得点がはいった。この三次元にねじれた竹垣は光を正面から浴び、竹の表と裏の反射の違いにより網代の変化がより強調されていた。このコンクールにおいて各チームの竹の扱いが大変巧みな点を強調しておきたい。


特別賞 連山の眺め  京都府造園協同組合 青年部(京都府)

京都の風景を思い起こさせる、町並みと連山を作り出した作品である。町並みはオリジナルデザインの市松で、連山は芝生のアンジュレーションで表現している。全体のバランスから見ると連山のボリュームが不足しており、町と山との関係が町勝ちになっているのと、全体に腰高であるのが残念である。市松の新しい意匠は素晴らしいアイデアである。


特別賞 小さなプライベートガーデン  チームヒゲ(東京都)

唯一の実体スケールの作品であるが、この前に佇むとほっとするこの気持ちは何物にも変えがたい。背後の竹垣の扱いは柔らかくユニークであるが、全体としては強いインパクトの表現はされてない。しかし人はこんな庭園が欲しいのだろうなと思わせる作品である。

戸田 芳樹

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