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第2回全国造園技能競技大会 in長野 −1/3

2012.10.26

10月26、27日の両日、第2回全国造園技能競技大会(主催:社団法人日本造園組合連合会)が長野県諏訪市で開催され、その審査委員長としての大役を果たす事ができた。この競技にランドスケープアーキテクトの私がなぜ審査員に選ばれたか、疑問を抱きつつ当地に赴いたのが正直なところだ。よく考えてみると、独自の造園スタイルを持っている審査員ではかえってジャッジメントがしにくく、白紙の状態で臨める私を全体のバランスを調整する役割として選んだのではないかと考え納得した。

2日間の造園技能競技大会を体験して、「本当に面白かった」と言うのが私の実感である。当日は技能オリンピックの日本予選が開催されており、隣地会場において他の競技と共に造園部門のコンクールも行なわれた。

こちらは若手組(U23)によるコンクールなので、先生たちやサポーターの応援も華やかに中に繰り広げられていた。私が審査した造園技能競技大会はこの技能オリンピックに刺激を受けた作庭家たちからの要望を受けて年齢制限を取り払って、全国から挑戦者を集める競技を作りあげたものである。それは作庭家が二人一組で1日半、11時間かけて支給された材料(全量使わなくて良いが持ち込み禁止)を用い、4×3mのスペースに庭園を作る、プロの中のプロを選ぶイベントである。今回は20代から60代にいたるまでの参加者があり、女性のチームやドイツの若者を加えたチームなどバラエティに富んだ組み合わせで行なわれた。

さて「おもしろい」と表現したのは完成した作品もさることながら、作られていくプロセスがとても面白く、劇場型の展開が見られたからであった。コンセプトは前もって登録しており、限られた時間で夫々のチームが個性をどう表現するかが勝負だが,夫々のチームの駆け引きも見られる。熟練の作庭家の流れるような作業や二人一組の「あ・うん」の呼吸が美しいリズムを醸し出している。あるチームは中心となる施設を先に作り、それに合わせながら周辺を作る先行型の手法をとり、他チームは下拵えを徹底して先に行ないギャラリーを不安にさせる。そして一転してすごいスピードで作り上げるなど、その対照的なダイナミズムが庭の景色を刻一刻変化させる。

私の目前で作業する作庭家達の動きを見ていると技術者と言うより、むしろアスリートに近いのではないかと感じた。そこにはデスクワークを日々行なっている人たちにはない、肉体と精神が重なり合った見事なバランスが見られたからだ。人間の原点である肉体の躍動の結果が精神性の深い庭園芸術に迫っていく、その現場に立ち会えたのは幸運であった。

戸田 芳樹

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