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奥只見の紅葉

2012.11.03

11月3日、4日、古くからの友人の藤田氏(福島在住)に案内され10数人で奥只見の紅葉を愛でに出かけた。東北新幹線の新白河駅に集合したが、思わぬ混雑振りであった。何でもバス旅行社が首都圏の渋滞を避けるため、東北方面の基点として利用しているようだ。茨城空港の使い方同様、あらゆる方法を考えたビジネスのあり方に、なるほどと納得してバスに乗り込む。

大型免許を持っている藤田氏の快適な運転でバスは一路奥只見へ。途中会津田島に立ち寄るが、意外と開けたスケール感のあるまちで好感がもてる。ここには東武鉄道浅草とJR会津若松を結ぶ途中駅があり、浅草から3時間の長旅ができる東武鉄道の奥深さを見ることができた。

途中、小学校の分校を改築した体験宿泊もできるレストランで「そば」を食し、その背後のブナの原生林「いやしの森」を散策した。この森にはミズナラが主体の植生と、ブナの原生林を連続して体験できる興味深い環境が展開していた。なかでもブナに周囲を囲まれたミズナラが枯れ木状態になっている、現在進行形の珍しい生態が観察できたのは貴重である。その夜、宿泊した駅近くの旅館は部屋も食事も空気も人も素晴らしいうえ、料金も飛び切り安く、一同感激しきりであった。

翌朝はまず上流の田子倉ダムの絶景に接し、次は「ブナと川のミュージアム」へ。ブナ林の特徴や動物を含めた生態や、人々の生活を大変分かりやすく説明しており好感の持てる施設であった。ミュージアムは只見川に接してあり、周囲ののどかな風景に囲まれている。しかし建物はRC造で造形性に富んだデザインがほどこされ、周囲から目立つ存在になっている。もっと只見の木を積極的に使うなり、周囲の山々のスカイラインをデザインに取り込むなり、様々な工夫があると思えるのだが・・・・

只見駅を訪れたが、只見線は会津若松までの間が豪雨により不通で、新潟方面には1日3本しか列車が運行されてない。駅構内はほとんどショップで埋められ、まさに「駅の駅」状態であった。私は片隅においてあった「秘境羊羹」を購入したが、これが適度の甘さで味わい深く、うれしい掘り出し物にあたった。

昼食は81歳のそば打ち名人の工場に寄り美味しくいただいた。大皿にたっぷりと乗ったそばは普通であれば4人分の量、地元の人は2皿も食べるそうだが、我々は大皿4分の3で残念ながらダウン。この地域は、てんぷら、おでん、きんぴらごぼう付が定番なのか、昨日の店とメニューがまったく同じで、どれを食べても本当に美味い。驚くほどの安さで、恐縮するばかりであった。

みんな大満足で只見を後にしたが、空気が良くて食事が美味くて人情が厚ければこんな幸せな事はないなと、香港で引いた風をいつの間にか吹き飛ばした2日間であった。

戸田 芳樹

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