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久しぶりに修善寺「虹の郷」を訪問した

2012.10.06

10月6日、久しぶりに修善寺「虹の郷」に行ってきた。もう完成して24年も経つのだなあと、つくづく感じるほど落ち着いた風情をかもし出していた。オープン当初はバブルの最盛期で年間90万人を越える入園者でにぎわった。入り込みは40~50万人程と私達は読んでいたので、うれしい悲鳴を上げたことも懐かしい思い出だ。それが日本の経済状況と呼応するように入園者が少しずつ減少し、昨今は10万人台で推移している状態のようである。

当時オープンした名だたるテーマパークはほとんど消滅し、ディズニーランド、ユニバーサルスタジオなど少数しか残っていないのが現状である。そのなかで「虹の郷」が生き残った理由はここが施設を重視したパークではなく、現存の自然に新たに自然を加えてその美しさを入場者に提供したからだと私は考えた。「虹の郷」はオープンする以前から、ショウブ、シャクナゲ、モミジの行楽地として有名でそこそこの観光客を集めていた。そしてオープン後も藤棚をコツコツ延長し、新しくバラ園、ハーブガーデン、水草の池、スイセン、アジサイも追加し、各シーズンの見せ場を作る努力をし続けてきた。また、オープン時から地元の人々がレストランや土産店をずっと長く経営している事も特筆されるひとつである。そんなに儲かってないようなのに継続していただいているし、「匠の里」では木工作や染色のアトリエで、24年間クリエーターが変わりなく創作活動を続けてくれている。本当にありがたいことである。

今回特に感じたのは子供が多いことである。このパークの呼び物は本格的なSLの乗車体験で、大人が乗っても楽しめる機材があり風景が展開するが、それにも増して遊具で遊ぶ子供の姿が目についた点だ。単純な滑り台や、噴水が4~5歳頃の子供にとって人気が高く、付き添いの大人が目を細めてその姿を追っているのが印象的であった。オープン当初、ダイナミックで流動的な高価な遊具を入れたが、もっと単純でシンプルな遊具を少しずつ時代の好みに合わせて変えていく方法が正解だったかも知れない。

このテーマパークの中心はイギリス村、カナダ村の町並みだが、完成後長い年月を経て樹木は大木となり建物もエージングがかかり、訪れるとテーマパークではなく小さな街に入り込んだ気持ちになるほど風景がしっくりしている。

これもテーマパークが成熟したひとつのあり方ではないかと思えてきた。ここではお金を少しでも多く落としてもらおうと色々と仕掛けをしている観光地のいやらしさがなく、生活感のある時間の流れを感じられる本当に珍しいテーマパークだと、再発見した次第である。

伊豆方面にお出かけの節はぜひ立ち寄って楽しんでみてください。

戸田 芳樹

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