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徳稲教育機構建築オブジェが完成しました

2012.09.10

昨年、北京徳稲教育機構から招待され、「大師」という称号を任命していただいた。同機構では上海万博を機に、世界から優れた表現者(建築家、造園家、芸術家等)を集め、中国の若者にその叡智を伝える活動を始めている。万博で活躍した人を中心に人材を集めており、私は彦坂裕氏(日本館プロデューサー)からの紹介でメンバーに名を連ねた。その後GK設計の田中一雄氏、照明デザイナーの近田玲子氏も参加され、当地での今後の活動が楽しみである。

さて、その機構が上海の復旦大学のキャンパスに大師達のアトリエが入る新しい校舎を建設した。上海の中心部から車で一時間ほどの位置にあり、広々としたキャンパスに白色の建物が映えている。その入り口部のスペースにオブジェとしての作品を依頼され、8月末に当地で完成した。この空間は天井が高く落ち着きのないスペースなので、ボリュームはあるが、透けて邪魔にならないフォルムが良いのではと考えた。

そこで日本の造園の造形をアピールすべきと思い、金沢兼六園の冬の名物風景である雪つりを室内外に表現する事を提案した。天井から縄をりりしく放射状に張り緊張感を出し、床には縄を巻いた太いロープで曲線を描き、落ち着いた柔らかい表現とした。外部空間との一体感も狙いの一つであり、外部にも放射線状の縄をガラス窓に対して対称的に設置し、ボリューム感を出した。床は白と黒の砂と玉石で陰陽を表現し、その中に飛石を打ち、オブジェの下をかがみこんで歩く空間演出もしている。

白砂敷きには砂紋を入れる事とし、現地で道具を製作してもらい実際に描いてみた。久しぶりなのでなかなか上手くいかず、大汗をかきながらの挑戦であった。

誤算があったのはガラスに少し色が入っていた為、同じ白砂でありながら内部と外部で色の違いが出たことだ。白砂をもう少し暗くすればあまり差が出なかったであろう。この砂部では誰かが描くだけでなく、新任の大師の表現の場としてサインを描くのも一興だと思い、大学側に提案した。

具体的に、徳稲教育機構での活動はこの秋を越えてからと思われる。

戸田 芳樹

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