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雨水ネットワーク会議全国大会を傍聴して

2012.08.04

8月4日駒場の東京大学コンベンションホールで行われた「第5回雨水ネットワーク会議全国大会2012in東京」を傍聴しました。この会議は2008年を皮切りに今年で5回目を迎え、毎年各地で分科会的に開かれてきた会議を一度整理する意味で行われた節目の会議でもあるようです。東京農大の出身で海外の実務経験を経て、現在神戸大学の特命准教授に就かれている福岡氏のご案内でこの会議を知り参加に至りました。

会議は、雨水に関する取り組みを「学習」「事業」「市民」「行政」の4つの分野に分け、それぞれの事例のリレーセッションにより現在の様子を紹介し、その後韓国の韓教授(ソウル大学)に世界の水問題と日韓協働についてご講演頂き、パネルディスカッションで会をまとめる構成で、終始リラックスした雰囲気の中、初めて参加した人でもはい入り込みやすい内容でした。興味深い実例は幾つもありましたが、一番印象に残ったのは福岡大学の渡辺准教授の事例でした。渡辺先生の講話は「市民」のカテゴリーです。自邸をワークショップにて「雨水ハウス」として作り上げ、雨水を生活用水(屋根で受けた雨水を貯留槽に溜めてトイレの洗浄水や洗濯水に使用)として取り入れているらしいのですが、特にアナログな水位計による貯水量の見える化が印象的でした。雨水は蒸留水のように不純物がない訳ではなく、溜めっぱなしでは腐ってしまうので、次の雨までにどんどん使ってまた溜めるのが望ましいのでしょうが、ご家族は減って行く貯水槽の雨水に危機感を覚え、大切に水を使用されているとのことでした。巷で草の根的に広がりつつある自宅の雨水タンク。都市のダムという見方もあるようですが、渡辺先生の事例はそのことをわかりやすく表していると感じました。

お隣の韓国では干ばつによる生態系の乱れ、地下水の枯渇が深刻化しているようです。2001年から徐々に雨水管理施策が進められ様々な取り組みが成されていると聞きました。日本でも今年6月に公明党のプロジェクトチームから「雨水利用促進法案」が提出され今後の国策が注目されます。雨水を、猛威をふるう自然と捉えるか、恵みをもたらす資源として捉えるか。我々の職能でなすべきことのヒントが幾つもあり、充実した大会でした。

大橋幸雄

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