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上海での講演会を終えて

2011.05.06

4月12日から15日まで上海に滞在し、3箇所で講演会を行ったので、その報告をしたい。

4月13日は造園の設計施工している、かなり大きな規模の棕呂園林会社(PALM LANDSCAPE)と棕呂景観計画設計院で行った。40名程度の規模の会議室で、南京、成都、杭州等の支店と直結したテレビを使い、地方からの質問も受けながら進めた。

中国の施工会社は、大きな仕事はあるものの、受注競争も激しく、設計部門が強化の重要項目となっている。今回私が呼ばれ、講演したのは、その様な目的があったからである。内容は、「ランドスケープデザインの発想と組立のプロセス」等の基本スタンスの考え方と、「日本の伝統文化の影響がランドスケープ空間に表出した具体的なデザイン」を事例と共に説明した。聴衆は若手のランドスケープアーキテクトが主体で、女性が多く、2時間半の公園を熱心に受けて頂いた。質問には「自分の作りたいデザインを何処まで公共空間に出して良いのか」「中国のランドスケープデザインの質について、何処に問題があるのか」「上海万博のランドスケープをどう見たのか」等、理にかなった質問を頂いた。

翌4月14日は、幾つかのプロジェクトを一緒に行っている日清建築設計事務所に対して行った。現在、中国で蘇州、合肥等でコラボレーションしている事務所であるが、10年足らずで300人程の規模の事務所となり、若さと熱気がパワフルな事務所である。会場は事務所内でと思っていたが、ホテルの立派なホールを借りて、200人以上も集まった講演会となった。内容は前回の講演をベースにして、より建築とランドスケープが良好な関係で作られた作品を追加して話を進めた。質問としては、「建築家がランドスケープを良く理解するにはどうすればよいか」「コラボレーションで一番大事な点は」「施工技術の向上をどうすべきか」等かなり突っ込んだ話し合いが持たれ、緊張感の中にも、空間を作り続ける同志としての連体が見えてきた感じを持った。

この日の午後は上海市緑化フェアに参加した。7人のスピーカーの最後を担当し、約30分の講演を行った。2005年に完成した「ぐんま昆虫の森」を題材として、現地調査、解析、計画、設計とプロセスを示しながら説明し、「昆虫の世界を知ることが、自然を知ることでもあり、世界に繋がっていくのだ」と大きな視点からの話をした。また、ランドスケープデザインの視点から計画地を興味深く、楽しく見て回るには、シークエンスの構築が重要で、様々な空間や生き物との出会いが、利用者を奥へ奥へと誘導するデザインの仕組みを解きほぐした。時間が短く、同時通訳で焦り気味になるのを押さえるため、珍しく前もって原稿を用意した。また同時通訳でのコツは、日本語というものは最後にYES、NOが決まるので、中国語や英語とは逆である。ゆっくり話すよりは、文章の間を少し長く取ることでスムースな通訳が出来ることが解った。

今回は業務のない出張であったが、中国におけるビジネスチャンスはこちらから講演会を仕掛けることによってスタートした様だ。

戸田芳樹

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