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オフィス空間のランドスケープ −1/9

2011.04.04

造園修景協会が発行する機関誌“造園修景No.114 3月号”の「造園の技を考える」シリーズに拙文が掲載されましたので、9回に分けてホームページに連載して参ります。


□新しい都市の風景

丸ノ内の風景が変わったと言われてから数年経つ。
以前の丸ノ内は週末になると人通りが全く途絶え、死の街と化していた。まさに仕事がすべての業務地区らしい典型的なランドスケープがそこに見られた。
21世紀に入り、三菱地所による大規模な丸ノ内再開発プロジェクトが本格的に進められ、丸ビルを始めとして単一な業務空間から、商業やホテル等、観光施設も導入した複合的な街に変貌していった。
その結果、丸ノ内は一般の人々も訪れ、楽しめる空間として夜や週末までも活気あふれる魅力的な街に生まれかわりつつある。

昨年オープンした三菱一号館は多くの利用者で賑わっているが、都市空間におけるランドスケープデザインの解答のひとつが示されていると私は思う。
そこには建築用途の多様化により開かれた、街に息づく「ガーデン」の思想が見てとれる。
「ガーデン」は安全な生活空間として、人々が暮らし、守られる場で、古くから営々と作られ使われてきた。そして様々な地域の特徴を持った庭園様式が残り、世界各地で貴重な文化財として存続している。
しかし近代都市では機能的な広くて固くてスムーズに移動できる空間が優先され、「ガーデン」は忘れ去られた存在になった。
しかし、新しく出現した三菱一号館の「ガーデン」に、人々は待ち焦がれた様に集まった。人々が望んだのは都市の冷たい広場や公園ではなく、花があり蝶が集まるガーデンだったのである。
三菱一号館は業務空間のランドスケープがたどり着いたひとつの答えと私は思うが、少し時代を逆上って、この40年間のランドスケープデザインの移り変わりを時系列の中で見てみたい。

戸田 芳樹

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