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カンボジアに行ってきました−3

2011.09.11

プノンペンは都会です。
観光客以外にも普通に生活している外国人を沢山見かけます。
シェムリアップで数多く見かけた微笑みも、若干減ったような気がしました。
街中には人が溢れ、様々な色彩に溢れています。
仏教やヒンドゥー教の寺院、王宮の荘厳な屋根装飾、神々を象った彫刻などエキゾチックな建物と、フランス領だった頃の面影を色濃く残す路地空間、そして大きく育った街路樹や窓先からこぼれる熱帯植物が飽きの来ない景観を作り上げています。


あてもなく街歩きを続けていると、同行した伊藤氏が突然興奮し始め吸い寄せられるようにある建物を目指し始めました。
それは石山修武先生の「ひろしまハウス」でした。「ひろしまハウス」は原子力爆弾によって大きな傷を負った広島、ポル・ポト政権時に大虐殺を受けたカンボジア、20世紀のこの悲劇を忘れぬよう後世に伝えるものとして、両国の友好のもと建てられた建築です。訪れたときは児童図書館として開放する準備なのか、本棚のようなものを組み立てている最中でした。

この建物は早稲田大学のチームがセルフビルドで建設した建築とのことです。
資金調達も作業人工も、平岡氏(元広島市長)や中川先生(早大)、石山先生(早大)の呼びかけに賛同した人々のムーブメントが礎となっているそうです。
地震や台風のない(現地の人の話では…)カンボジアならではの細い柱、薄い壁、現地の日干し煉瓦とコンクリートの建物はほどよくエイジングしていましたが、妥協のないデザインは計画から20年近い歳月を経てなお古さを全く感じさせませんでした。


プノンペンの街中では戦争で身体の一部を失った人を幾人も見かけました。薬物等による影響で生まれつき不自由な生活を余儀なくされている方も見受けられました。
日本もカンボジアも今は平穏な風景が日々展開されていますが、人間の愚かしい行為で、この地球が受けた大きな傷は決して忘れてはいけないと思い、胸が痛くなったことを今も記憶しています。

大橋 幸雄

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