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カンボジアに行ってきました−2

2011.09.11

前稿ではカンボジアの里山について書きましたが、カンボジアの暮らしのもう一つの典型として水上生活について紹介します。


カンボジアには東南アジア最大の湖「トンレサップ湖」があります。
丁度雨期に訪れたため、湖は潤沢な水を蓄えていました。アンコール遺跡群のあるシェムリアップから、首都プノンペンに移動を予定していたので、雨期にしか就航しない定期船に乗ることにしました。
シェムリアップの港周辺には水上生活者が多く暮らしています。乾期には相当な高床式住居になりそうな長い足を持つ家屋が軒を連ねています。
家屋の下は湖で、文字通りの水上生活です。彼らの移動手段はボートが基本でしょうが、港周辺は陸地に近いので、桟橋伝いに移動できる家も見受けられました。
乗船し、港を離れ30分もすると陸地はかなり遠のき、1時間後周囲は完全に海原でした。海と違うのは、水面に漂うホテイアオイの緑が水面に点在していることです。カンボジアではホテイアオイの茎を使ったカゴやバックなどの工芸品づくりが盛んです。

3時間近く船に揺られた頃、陸地らしき風景が行く手に出現しました。
湖の幅が狭まり、川の様相に変化します。所々に、高床式の家屋が湖面に軒を連ねる風景を見ることが出来ます。
家屋と共に水面に顔を出しているヤシの木が、乾期にはそこが陸地であることを示しています。
我々の乗るボートの周囲には、エビ漁を行う小舟が浮かんでいました。皆一様に笑顔で手を振ってくれます。
とても大らかで逞しい笑顔でした。子供も多数見かけます。
家屋だけではなく、学校も水上にありました。お寺もあるところを見ると、病院や役所などもどこかにあると思われます。


トンレサップ湖には600種を超える淡水魚が生息し、カンボジア人のタンパク質摂取の60%を占めるとWikipediaにありました。
雨季と乾季の水量の差が激しい環境が、特異な生態系を育み、良好な漁場となっていることに先人が目を付け、合理的な生活体系を築いてきたのだと感じました。
大きな電波塔が建っているところを見ると、ここでの暮らしは決して原始的なものではなく、テレビや携帯電話と言った文明の利器を操りながらも、代々受け継がれた営みを続けていることを想像させます。


6時間の遊覧を終えてプノンペンの港に着きました。
静かな湖面でのひとときとは打って変わった喧噪。素朴さの残る首都プノンペンですが、随分大都会に感じました。

大橋 幸雄

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