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公園における園芸空間の実践-1

2011.06.25

6月25日、空模様が少々危ない中、日本ランドスケープフォーラムの企画で、公共空間(公園など)における園芸デザインの実践に触れる機会を持った。


講師の奥峰子先生は園芸デザインの草分け的存在で、恵泉女学園卒業後、精力的に活動され多くの著書「美しい花壇作り」「球根ハンドブック」「半日陰、日陰を楽しむ」を出されている方である。

先生の案内で、まずは「しながわ中央公園」へ。
品川区役所に隣接するこの公園は利用者が多く、当日は土曜日であった為か、散策や休息する人々、サッカー、テニスに興じているプレイヤーで大変賑わっていた。
公園はどこにでもある普通のレイアウトで、正面の奥に運動空間、中央に休息スペース、入り口には導入広場と水景の空間による構成。
施設や高木植栽も一般的な設えであったが、夫々の空間を結ぶインターフェイスは園芸がその役割を担っており、様々な工夫により見ごたえのあるシーンを展開していた。

まず周囲から見てみよう。
ここでは奥先生の持論「子供の安全な場所は視線が良く通ること、入り口が綺麗で明るいこと」がここで具体的に実践されていた。
背の高くなった低木を取り除き視線を通し、地被や草本の明るい色の葉や花で空間を演出し、人々の安心感を作り出す方法は効果的で、もっとほかの計画に活用して欲しいと感じた。
しかし、ここで良く見ると花はテグスで連結されており、マナーの悪い区民の盗掘に対抗する悲しい現実も見られた。

また、花を効果的に表現するには斜面を使って立体的に見せる方法があり、ここではロックガーデンとして公園中央部の左右に展開し、ここでのハイライトとなっている。
そして、運動施設をめぐるジョギングコースにも優しい花で彩り、運動しながら目も楽しむ工夫がされている。

ここで樹木の手入れについても触れておきたい。
中心部にあるクスノキ林の状態が美しい事に驚いた。
全体の樹冠が整っており、常緑樹の持つ重い雰囲気がなく、透かした葉の先に空が見える爽やかな風景であった。
これはすごいと、同行の松田武彦さんに聞けば、大透かし、小透かしをきっちりと使い分けて手入れすれば、このような美しい状態になるとの事である。
日本にもまだ腕の良い職人がいることがわかったが、腕を振るう機会を私たちが設けなければならないのだと感じさせられた。

戸田 芳樹

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