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北京での現場監理

2011.05.17

中国で工事中の住宅空間のデザイン監理を5月16日、17日と北京で行なった。
私達は、殆どの中国プロジェクトでは初歩設計(日本では基本設計に当たる)まで行ない、施工図(実施設計図)は現地の事務所が作業し、監修するスタイルをとっている。
初歩設計の段階において意匠的なものは実施レベルの精度とし、現地事務所に設備、構造、植栽の細かな検討をお願いしている。

そして工事がスタートするが、ここから問題がどんどん出てくる。
事業者側にいるランドスケープの担当者が色々と考え始めてしまう。
図面は工事をする為の案内図と考えているようで、自分達の好みや経験から様々な変更が始まる。
専門家の多い事業者ほど、自信満々に変更を独自で始めてしまう。
今回の現場でも、プランそのものから変更(なぜ変更しようとしたのか理由がわからない)して工事を進め、途中で立ち行かなくなり、相談されたケースがあった。
この時は「変更したものに対してはアドバイス出来ない。現設計で進めてくれ」と指示を出すと、あっさりすべて壊して作業をし直したのには驚いた。
この屈託のなさは中国においてすべてに通じるようで、現場は何でもありなのだ。

さて、植栽から見て行こう。日本では施設関係の工事が終わって最後に植栽を行なうが、こちらでは大きな樹木から先にどんどん入ってくる。
樹木は事業者が調達するのが一般で、その会社の力量で樹木の質も決まってくるようだ。

現場ではどうも植木職とういう職能がなく、すべて農民工(不思議な呼び方)による作業で、ハサミ、ノコギリを誰も持っていない。
樹木の裏表、まっすぐに植え付ける事が分からないようで、あっちこっちに樹木が向いている。
そして、支柱が実にいい加減で、その役割をなしてないだけでなく、見た目にもかなり無残な形をしている。

大学では多くのランドスケープアーキテクトを生み出しているが、現場にまでその人材が届いていない。
最後に完成させる技術者が不足しているのである。聞くところによると、設計者と施工担当者との賃金に大きな格差があり、大学卒の専門家は施工業界になかなか入らないそうである。
これは大きな課題といえる。(この稿続く)


戸田芳樹

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