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被災地でのボランティア活動報告

2011.05.10

昨今のニュースでも伝えられた通り、今年のGWは大勢の人々が震災復興支援ボランティアとして各被災地へ赴いた。
私もその大勢の中の一人として「RQ市民災害救援センター(以下RQ)」という任意団体に登録し、宮城県石巻市の河北ボランティアセンターで5日間(4/30〜5/4)の活動を行った。

RQとは「NPO 法人日本エコツーリズムセンター」が中心となり、 団体の活動に賛同した市民有志で結成された団体である。
RQの活動の特徴は、大きな避難所でなく、数軒で自主避難している小さな避難所を中心に、公的支援が届きにくい被災者たちに対話的な救援・支援活動を行っている点である。
その姿勢に共感したと共に、個人的なネットワークもあってRQへの参加を決めた。

私が活動を行った場所は、牡鹿半島に点在するいくつかの集落であった。
牡鹿半島はリアス式海岸の入り組んだ海岸線を形成しており、その入江ごとに集落が点在している。
それら集落の殆どが津波の被害を受けており、漁港の施設や大半の家屋が倒壊しているが、その被災状況はあまり報道されていない。現時点で電気は復旧しているものの、なかなか支援の手が回りづらい地域でもある。

そこでの作業は、「漁具の回収」「民家や浜(漁港)の清掃」等であった。漁具は牡蠣の養殖に使用するもので、具体的には養殖棚を浮かすための「カキダル」と呼ばれる大きなブイやそれを固定するアンカーである。
「カキダル」は1つ1万円以上もするのだが、波に乗って林の奥まで流れたものも皆で回収し、わずか3日程度で1000個以上のカキダルが集まった。
また、清掃作業は瓦礫や再利用する資材を搬入出するためのルート確保が主な目的であった。ボランティア参加者は漁師の方々の一日も早い漁業再開を願い、それらの作業をさせていただいた。

GWによるボランティア志願者の一時的な増加や、ごく一部のマナーの悪いボランティアによって、ボランティアはさも迷惑であるかのような風潮があるが、これは全くの誤解であり、現地ではより多くのボランティア支援が望まれている。
石巻市街の被害が大きかった地域では、かろうじて道路が通行できる状況ではあるが、その両側にはいまだ多くの瓦礫が手を付けられずに残っている。
これらはいずれ自衛隊等により撤去されるが、その前に必要な物を拾い出す作業は各自がやらなければならない。
しかし、震災から既に2ヶ月近く経った今、避難生活を続ける被災者の疲労は極限であり、簡単な作業でさえもままならないのである。

震災後、ランドスケープアーキテクトが出来ることは何なのかと自問し続けている。
当然ながら業界でも様々な動きがある。そういった中で、実際に被災地を訪れてひしと感じたのは、雄大な北上川の流れやその背景に連なる山々の美しさ、それと共に暮らしてきた人々の郷土への愛着である。
私達は、今後いかなる支援活動・復興計画に携わる上でも、このことを忘れてはならないと思う。
災害に強い街をつくると共に、多くの自然の恩恵に授かってきた郷土での暮らしを再び取り戻せるよう、より多くの人々が力を合わせていかなければならないことを痛感し、東北を後にした。

高沖 哉

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