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南通濠河風景区にある盆栽園の考察

2018.04.09

最近、南通市において新しいプロジェクトがスタートし、都市の風貌を把握するため、濠河風景区の現場を考察した。濠河風景区は市中心部に位置し、オープンスペースの国家5A級観光風景区で、国内で最も完全に保存されている外堀水路の一つである。史書の記述では、千年以上の歴史を誇っており、濠河の長さは約10キロ、水面面積は約70万㎡の広さである。河巾の広い所は215m、一番狭い所は10m程であり、風景区の輪郭は旧市街区を瓢箪の形で包んでいる。都市と水は抱き合う形をとり、都市と外堀は一体化しており、ガーデン都市である南通の美しさの重要な景観要素は濠河の存在であると言える。

私は南通をあまり知らない上に約2時間の考察しかないので、濠河風景区の旅行センターに行ってから内部の都市を見に行くことにした。濠河風景区からの南通市の街並みは普通の地級都市と区別がつかないと感じた。おそらく、経済が盛んな勢いで発展しており、建築や道路が急速に近代化したのであろう。旅行センターは想像していた歴史文化風景区の雰囲気とは違い、近代様式の建築だったが、風景区の中ではその街区のもつ快適さがすぐに感じられた。濠河風景区のスケール感は人に心地よさをもたらし、その上歩車分離されているので散歩にも最適だと思った。さらに奥へ進むと前方に江南水郷の風景が広がって見えた。埠頭、ウッドデッキ、八つ橋、そり橋など水郷の施設が全部揃い、楽しい風景が展開している。ここは改造したプロジェクトなので、伝統的な江南水郷のスケールより大きく作られているのが特徴である。このスケールを選択したのは市民や観光者など、多勢の利用に応じるために計画した為であろう。現代都市でこのような贅沢なオープンスペースが風景区にあるのは本当に珍しく、都市は風景区のおかげで人間性も更に高まった。風景区はこの計画によって、美しく整備され人々に愛用されているが、まさに両者は持ちつ持たれつ関係であり、とても良好なコンビネーションが成立している。

考察の時間が少なく、濠河風景区の一部しか見られなかったのは残念だったが、風景区の中の小さな園林を紹介したい。「盆景大観」という名称の盆栽園である。中国の盆栽は主に五つのジャンル(嶺南派.広州、川派.成都、蘇派.蘇州、揚派.揚州、海派.上海)に分けられる。ここ盆景大観は五つのジャンル以外の南通派に属し、「二弯半」という特徴のある造形で有名になった。ここの盆栽園は伝統的な江南スタイルの園林で、その中に約300株の盆栽を展示しているスペースがある。盆栽園のデザインは内部の長廊下においては曲がりながら奥行き感を演出、花木と共に風景を織り成して美しく構成している。絶品な盆栽は見当らなかったが、無料で入場できるせいか、園林に入る南通市民は多く、幸せだと思う。今回のプロジェクトの中に、自然や文化に対する関心を寄せられるような考え方を入れてみたいと感じた。

朱 显嘉

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